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【宗派別完全ガイド】お鈴(おりん)の正しい作法と鳴らし方|葬儀・法要でのマナー

  • yukan
  • 6月23日
  • 読了時間: 5分

更新日:6月24日

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葬儀や法要において、お鈴(おりん)の美しい音色は厳粛な雰囲気を演出し、故人への供養に重要な役割を果たします。しかし

「いつ鳴らすのか」「何回鳴らすのか」「強さはどの程度か」など

正しい作法がわからず不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、お鈴の基本的な作法から宗派ごとの違い、実践的なマナーまで詳しく解説いたします。


お鈴(おりん)とは?その役割と意味


お鈴(おりん)は、仏教で使用される重要な仏具の一つです。金属製の鈴で、棒(撞木・しゅもく)で叩いて音を出します。その清らかな音色には以下のような意味があります


  • 心を清める:雑念を払い、心を集中させる

  • 仏様への合図:参拝や読経の始まりを告げる

  • 供養の表現:故人への敬意と冥福を祈る気持ちを音で表す

  • 場の浄化:邪気を払い、神聖な空間を作る


お鈴の基本的な作法


一般的な鳴らし方


基本は2回鳴らすのが最も一般的な作法です

  1. 1回目:優しく静かに鳴らす(仏様への敬意)

  2. 2回目:やや強めに鳴らす(自分の信仰心を表現)

この作法には「仏の心」と「自分の心」を一つにするという深い意味が込められています。


鳴らすタイミング


  • 参拝開始時:合掌の前後

  • 読経の区切り:お経の始まりや終わり

  • 焼香の前後:焼香を行う際

  • 法話の前後:僧侶の指示に従って


宗派別お鈴の作法一覧

宗派

回数・タイミング

強さ・特徴

詳細

真言宗

2回

1回目は優しく、2回目はやや強めに

基本的な作法に忠実

曹洞宗

2回または3回

内側・外側の鳴らし方が寺院により異なる

寺院による違いが大きい

浄土宗

読経時のみ

八下(はちさげ)で8回など

強弱よりも回数重視

浄土真宗本願寺派

初め2回、中1回、最後3回

決められたタイミングで鳴らす

勤行の区切りに使用

浄土真宗大谷派

初め2回、中2回、最後3回

同上

本願寺派と微妙に異なる

日蓮宗

朝1回、夕方2回など

時間帯や寺院により異なる

地域差が大きい

臨済宗

3回

禅宗特有の作法

座禅の始まりにも使用

天台宗

始め2回、経終了毎1回、最後3回

複数回に分けて鳴らす

最も複雑な作法



正しいお鈴の鳴らし方


基本的な持ち方と姿勢


撞木(しゅもく)の持ち方

  • 鉛筆を持つように軽く握る

  • 力を入れすぎない

  • 手首を柔らかく使う


鳴らす位置

  • 外側の縁:最も一般的

  • 内側:宗派や寺院により異なる

  • 真上から:垂直に叩く



タイミングの取り方


読経中

  • 僧侶の合図に注意

  • 他の参列者と合わせる

  • 慌てずゆっくりと


個人参拝時

  • 合掌前に2回

  • 心を込めてゆっくりと

  • 余韻を大切に


お鈴使用時の重要なマナー


✓ 守るべきマナー


基本的な心構え

  • 心を込めて鳴らす

  • 静かに丁寧に扱う

  • 他の参列者に配慮する


音に関する注意

  • 大きすぎる音は避ける

  • 連続して何度も鳴らさない

  • 余韻を楽しむ


タイミングの配慮

  • 僧侶の読経を妨げない

  • 他の人の焼香中は控える

  • 指示があれば従う


✗ 避けるべき行為

  • 無闇に何度も鳴らす

  • 非常に大きな音で鳴らす

  • 適切でないタイミングで鳴らす

  • 撞木を雑に扱う

  • 他の仏具に当てる


よくある質問と回答



Q: 宗派がわからない場合はどうすれば?


A: 基本の2回(1回目優しく、2回目やや強めに)で問題ありません。前の人の作法を参考にするのも良い方法です。



Q: 自分の宗派と違う葬儀での作法は?


A: 自分の宗派の作法で行っても、参列先の作法に合わせても、どちらでも失礼にはなりません。



Q: 鳴らすタイミングがわからない時は?


A: 他の参列者の様子を見て合わせるか、僧侶の指示を待つのが安全です。



Q: 子供にお鈴を鳴らさせても良い?


A: 小学生以上であれば問題ありませんが、大人が手を添えて一緒に行うことをおすすめします。



Q: お鈴がない場合は?


A: 無理に探す必要はありません。心を込めて合掌することが最も大切です。



Q: 音が大きすぎた場合は?


A: 次回からは優しく鳴らすよう心がけ、その場では特に謝罪の必要はありません。


地域・寺院による違いについて


同一宗派内での違い


同じ宗派でも以下の要因で作法が異なることがあります

  • 寺院の伝統:各寺院独自の作法

  • 地域差:地方により受け継がれてきた違い

  • 住職の方針:住職の考えによる違い

  • 檀家の慣習:長年の慣習による違い


確実な作法を知りたい場合

  • 菩提寺に確認:最も確実な方法

  • 僧侶に質問:法要前に相談

  • 檀家総代に相談:地域の慣習を確認

  • 葬儀社に確認:地域の一般的な作法を聞く


お鈴作法のポイント総まとめ


基本原則

  1. 心を込めて鳴らす

  2. 2回が基本(1回目優しく、2回目やや強めに)

  3. 他の参列者に配慮する

  4. 宗派の違いを尊重する


迷った時の対処法

  • 前の人の作法を参考にする

  • 基本の2回で統一する

  • 僧侶の指示に従う

  • 心を込めることを最優先


準備と心構え

  • 基本的な作法の確認

  • 撞木の正しい持ち方の練習

  • 心の準備と故人への思い

  • 他の参列者への配慮


まとめ


お鈴の作法は宗派や地域により細かな違いがありますが、最も重要なのは故人への敬意と供養の気持ちです。正確な作法を覚えることも大切ですが、心を込めて鳴らすお鈴の音色が、故人への最高の供養となります。


お鈴作法の要点

  • 基本は2回(優しく、やや強めに)

  • 宗派による違いを理解する

  • タイミングと音量に配慮する

  • 他の参列者との調和を重視

  • 何より故人への気持ちを大切に


迷った場合は基本的な作法で心を込めて鳴らし、美しい音色で故人を偲びましょう。適切なお鈴の作法で、心に残る供養の時間をお過ごしください。



お鈴の作法や仏教の儀式についてご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。皆様の大切な供養の時間をサポートいたします。

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