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お彼岸とは?秋のお彼岸の過ごし方と「おはぎ」の意味を解説

  • yukan
  • 8月21日
  • 読了時間: 5分

更新日:8月22日

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「お彼岸にはお墓参りをする」という話は聞いたことがあっても、なぜこの時期に先祖供養をするのか、どのような意味があるのかご存知でしょうか。


お彼岸は日本独自に発展した美しい仏教行事で、年に2回、家族みんなでご先祖様に感謝の気持ちを伝える大切な時期です。

特に秋のお彼岸は収穫の季節と重なり、自然の恵みとご先祖様への感謝を同時に表す、心温まる行事となっています。


今回は、お彼岸の本当の意味と、秋のお彼岸ならではの「おはぎ」の習慣について、わかりやすくご説明いたします。


お彼岸の時期はいつ?

2025年秋のお彼岸


2025年の秋のお彼岸は9月20日(土)から9月26日(金)までの7日間です。

  • 彼岸入り:9月20日(土)

  • 中日(秋分の日):9月23日(火・祝日)

  • 彼岸明け:9月26日(金)


春と秋、年2回の特別な期間


お彼岸は春分の日(3月20日頃)と秋分の日(9月23日頃)を中心に、それぞれ前後3日間ずつ、合計7日間行われます。


この時期には太陽が真東から昇り、真西に沈みます。仏教では極楽浄土が西にあると考えられているため、太陳が真西に沈むこの時期は、私たちの住む現世(此岸)とご先祖様のいる極楽浄土(彼岸)が最も近くに感じられる特別な時なのです。


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「彼岸」という言葉の深い意味


古代インドから伝わった教え


「彼岸」という言葉は、古代インドのサンスクリット語「paramita(波羅蜜多)」を漢字に訳した「到彼岸」に由来します。

仏教の教えでは、私たちが住む迷いの世界を「此岸(しがん)」、悟りの世界である極楽浄土を「彼岸(ひがん)」と呼び、この2つの世界の間には大きな川が流れていると考えられています。


修行と感謝の期間


お彼岸は単にお墓参りをする期間ではありません。仏教の「六波羅蜜(ろくはらみつ)」という6つの修行(布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧)を実践し、善い行いを心がける期間とされています。


つまり、ご先祖様への感謝とともに、自分自身も良い行いを積むことで、極楽浄土に近づこうとする精神的な成長の時期なのです。


お彼岸に何をするの?


基本的な過ごし方


お墓や仏壇の掃除とお供え 家族みんなでお墓をきれいに掃除し、仏壇には秋の花やお供え物を用意します。菊の花や故人が好きだった花を選ぶのが一般的です。


感謝の気持ちを込めてお参り 家族が集まって故人やご先祖様に感謝の気持ちを込めて手を合わせます。普段なかなか会えない親戚とも顔を合わせる良い機会となります。


善い行いを心がける お彼岸期間中は、人に親切にしたり、無駄遣いを避けたりと、日頃の行いを見直し、善行を心がけることも大切な習慣です。



秋のお彼岸の特別な習慣「おはぎ」


なぜ「おはぎ」なの?

秋のお彼岸には「おはぎ(御萩)」をお供えする美しい習慣があります。これは秋の花である「萩」に由来した名前で、季節感を大切にする日本人の心が表れています。


おはぎには新小豆の粒あんを使うのが伝統です。秋に収穫されたばかりの小豆は皮も柔らかく、あんこは粒のまま使われることが多いのです。


赤小豆に込められた願い

おはぎに使う小豆の赤い色には、昔から邪気を払う力があると信じられてきました。ご先祖様への供養だけでなく、家族の無病息災や豊作を祈る気持ちも込められているのです。


収穫への感謝

秋のお彼岸は収穫の季節と重なるため、小豆やもち米などの恵みに感謝し、同時にご先祖様への感謝と尊敬を表すという深い意味があります。


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おはぎとぼたもちの違い

多くの方が疑問に思う「おはぎ」と「ぼたもち」の違いをご説明します。


季節による呼び分け

  • 春のお彼岸:「ぼたもち(牡丹餅)」→ 春の花「牡丹」から

  • 秋のお彼岸:「おはぎ(御萩)」→ 秋の花「萩」から


作り方の違い

おはぎ(秋)

  • 新小豆の粒あんを使用

  • 俵型(楕円形)に作ることが多い

ぼたもち(春)

  • こしあんを使用

  • 丸型に作ることが多い


ただし、最近では地域や家庭によってこの区別をしない場合も増えており、年中「おはぎ」と呼ぶところも多くなっています。


お彼岸の歴史


日本独自の発展

お彼岸は日本独自に発展した行事です。その歴史は古く、聖徳太子の時代(飛鳥時代)に始まったとされています。

平安時代には朝廷の年中行事となり、江戸時代に入ると現在のようなお墓参りや供養の風習が庶民の間に定着しました。


仏教と日本文化の融合

もともとの仏教行事に、日本人の季節感や自然への感謝、先祖を大切にする心が加わって、現在の美しいお彼岸の習慣が生まれました。


その他のお供え物と過ごし方


精進料理でおもてなし

お彼岸期間中は、殺生を避けた精進料理でご先祖様をお迎えします。赤飯、団子、うどん、そばなどが一般的で、家族みんなで同じものを食べることで、ご先祖様との絆を感じることができます。


家族の絆を深める機会

お彼岸は、普段忙しくてなかなか会えない家族や親戚が集まる貴重な機会でもあります。故人の思い出話をしながら、家族の絆を深める大切な時間となります。



まとめ

お彼岸は、ご先祖様と心を通わせ、自然の恵みに感謝する日本の美しい伝統行事です。特に秋のお彼岸は、収穫の季節と重なることで、より深い感謝の気持ちを表現できる特別な時期となっています。


「おはぎ」一つとっても、季節の花への思い、新しい収穫への感謝、魔除けの願いなど、たくさんの意味が込められています。このような細やかな心遣いこそが、日本文化の美しさと言えるでしょう。


2025年の秋のお彼岸は9月20日から26日です。この機会に家族みんなでお墓参りをし、おはぎを作って、ご先祖様への感謝の気持ちを新たにしてみてはいかがでしょうか。


忙しい現代だからこそ、年に2回のお彼岸は、家族の絆を確認し、感謝の心を思い起こす貴重な時間です。ご先祖様が築いてくださった今の暮らしに感謝し、これからの家族の幸せを願う、心温まるひとときをお過ごしください。


ご先祖様への感謝の気持ちと同じように、大切な方をお見送りする際も、心を込めた丁寧なお別れをしたいものです。

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