お墓参りの正しい作法とは?初心者でもわかる手順とマナー
- yukan
- 8月22日
- 読了時間: 6分
更新日:8月27日

「お墓参りに行きたいけれど、正しいやり方がわからない」「何を持参すればいいの?」「失礼にならないか心配」そんな不安を抱えている方は少なくありません。
お墓参りは日本の大切な伝統文化ですが、意外と正しい作法を知らない方が多いのが現実です。特に若い世代の方や、久しぶりにお墓参りをする方にとって、どのような手順で進めればよいか戸惑うこともあるでしょう。
今回は、お墓参りの本当の意味から具体的な作法、知っておきたいマナーまで、初心者の方でも安心してお参りできるよう、わかりやすくご説明いたします。
お墓参りの深い意味と目的
なぜお墓参りをするのか
お墓参りは、単なる習慣ではありません。日本人が古くから大切にしてきた「ご先祖様を敬う心」の表れであり、深い意味を持つ行為です。
ご先祖様への感謝を伝える 今、私たちがここに生きているのは、数多くのご先祖様が命を繋いでくださったからです。お墓参りは、その感謝の気持ちを直接伝える大切な機会となります。
亡くなった方の供養 故人の魂が安らかであるよう心を込めて祈り、冥福をお祈りします。これは生きている私たちができる、最も心のこもった供養の形です。
家族の絆を深める お墓参りは家族や親族が集まる貴重な機会でもあります。故人の思い出を語り合いながら、家族の絆を再確認できる特別な時間となります。
自分自身を見つめ直す ご先祖様の墓前で手を合わせることで、自分の生き方や日頃の行いを振り返るきっかけになります。忙しい日常を離れ、心を静める大切な時間です。

お墓参りの正しい手順
1. 事前の準備
必要なお供え物を用意
お花:菊、百合、カーネーションなど日持ちする花が一般的
線香:故人やご先祖様に香りを捧げます
故人が好きだった食べ物や飲み物:生前お好きだったものをお選びください
ろうそく:地域や家庭によっては使用します
清掃道具の準備
雑巾やタワシ
水桶(霊園に備え付けがない場合)
ゴミ袋
軍手(作業用)
これらを事前に準備しておくことで、当日スムーズにお参りができます。
2. 墓前の清掃から始める
お参りの最初は、必ず清掃から始めます。これは故人やご先祖様をお迎えする準備の意味があります。
墓石と周囲をきれいに
墓石の周りの雑草を取り除きます
落ち葉やゴミがあれば片付けます
花立てや香皿の古いお供え物も処分します
墓石を水で洗う
墓石全体に水をかけて汚れを流します
タワシや雑巾で優しく磨きます
最後に清潔な布で水分を拭き取ります
この清掃作業も供養の一部と考え、心を込めて行うことが大切です。
3. お供えと参拝
お花を供える
花立てに水を入れ、用意したお花を活けます
花の長さは墓石の高さに合わせて調整します
左右対称に配置するのが一般的です
線香を焚く
線香に火をつけ、炎を手で仰いで消します(息で吹き消さないよう注意)
香皿にそっと立てます
煙が故人のもとに届くよう心を込めます
お供え物を置く
故人が好きだった食べ物や飲み物をお供えします
墓石の前の適切な場所に丁寧に置きます
お水を供える
墓前の水鉢にきれいな水を注ぎます
故人の魂を潤し、清めるという意味があります
4. 合掌と祈り
すべてのお供えが整ったら、いよいよ心を込めて祈ります。
正しい合掌の仕方
背筋を伸ばし、墓石の前に立ちます
両手のひらを胸の前で合わせます
静かに目を閉じ、心を落ち着けます
祈りの内容
故人やご先祖様への感謝の気持ち
近況報告(結婚、出産、就職など)
家族の健康と幸せへの願い
故人の冥福への祈り
決まった言葉はありません。素直な気持ちで、心の中でお話しすることが大切です。
5. お供え物の後片付け
食べ物・飲み物は持ち帰る お参りが終わったら、食べ物や飲み物は必ず持ち帰ります。これには重要な理由があります。
動物(カラス、野良猫など)による被害防止
腐敗による衛生問題の回避
他の参拝者への配慮
お花と線香はそのまま お花と線香は、基本的にそのまま残して帰ります。ただし、霊園の
ルールがある場合は従ってください。
知っておきたいマナーと注意点
墓地でのマナー
静かにふるまう 墓地は神聖な場所です。大きな声での会話は避け、静かに過ごしましょう。他の参拝者の迷惑にならないよう配慮が必要です。
墓石を大切に扱う
墓石に腰かけたり、もたれかかったりしない
墓石を足で蹴ったり、乱暴に扱わない
他人の墓石に触れる時も十分注意する
共用スペースをきれいに
水場や休憩所は次の人のことを考えて使用
ゴミは必ず持ち帰る
備え付けの道具は元の場所に戻す
宗派による違いに注意
家や寺院に確認 お墓参りの作法は、宗派や地域によって多少異なることがあります。
線香の本数や立て方
合掌の仕方
お供え物の種類や置き方
初めてお参りする場合や不安がある時は、家族や菩提寺に確認すると安心です。
服装について
適切な服装を心がける
露出の多い服装は避ける
派手すぎる色合いは控える
歩きやすく、作業しやすい靴を選ぶ
帽子やサングラスは墓前では外す
特別な決まりはありませんが、故人やご先祖様に失礼のない、節度ある服装が望ましいです。

お墓参りの頻度とタイミング
いつお参りすればいいの?
決まりはありません お墓参りに「絶対にこの日」という決まりはありません。思い立った時、故人を偲びたい時、いつでもお参りできます。
一般的なタイミング
お盆(8月13日~16日頃)
お彼岸(春分・秋分の日を中心とした7日間)
命日
お正月
故人の誕生日
心を込めることが最も大切
頻度よりも、心を込めてお参りすることが何より重要です。年に一度でも、真心を込めた参拝は故人に必ず伝わります。
遠方の場合や体調不良の時
気持ちが大切
無理は禁物 体調が悪い時や遠方で頻繁に行けない場合は、無理をする必要はありません。
代替の方法
自宅の仏壇でのお参り
故人の写真に向かっての合掌
心の中での語りかけ
大切なのは形式ではなく、故人やご先祖様を思う気持ちです。
子どもと一緒のお墓参り
家族の絆を育む機会
お墓参りは、子どもたちに「命の大切さ」や「家族の絆」を教える貴重な機会でもあります。
子どもへの配慮
年齢に応じてお墓参りの意味を説明
無理強いはせず、自然な気持ちで参加してもらう
清掃などの作業を一緒に行い、参加感を持たせる
子どもの頃からお墓参りに親しむことで、家族や先祖を大切にする心が育まれます。
まとめ
お墓参りは、ご先祖様への感謝と故人への愛情を表す、日本の美しい伝統文化です。正しい作法を知ることは大切ですが、最も重要なのは真心を込めて行うことです。
清掃から始まり、お供え、合掌、そして後片付けまで、一つひとつの行為に意味があります。墓地でのマナーを守り、他の参拝者への配慮も忘れずに、心穏やかにお参りしましょう。
お墓参りに決まった頻度や完璧な作法はありません。故人やご先祖様を思う気持ちがあれば、それがすべてです。初めての方も、久しぶりの方も、安心してお参りにお出かけください。
きっと故人やご先祖様も、あなたの真心のこもったお参りを喜んでくださることでしょう。家族みんなでお墓参りをすることで、絆も深まり、大切な思い出になるはずです。
私たちは、故人様お一人おひとりに心を込めた湯灌(ゆかん)サービスをご提供し、ご家族が安らかな気持ちでお別れできるよう真心を込めてサポートいたします。大切な方との最後の時間を、より美しく、より温かなものにするお手伝いをさせていただきます。ご不安やご質問がございましたら、いつでもお気軽にお声がけください。詳しくはこちらをご覧ください。
コメント