【宗派別解説】焼香の正しい作法とマナー|葬式・法要での手順を詳しく解説
- yukan
- 6月23日
- 読了時間: 4分
更新日:6月24日

葬式や法要において、焼香は故人への敬意を表す重要な儀式の一つです。しかし、「正しい手順がわからない」「宗派によって違いがあるのか不安」という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、焼香の基本的な作法から宗派ごとの違い、知っておくべきマナーまで詳しく解説いたします。
焼香とは?その意味と目的
焼香(しょうこう)は、香を炊いて仏様や故人に供養を捧げる仏教の儀式です。香りには心を清め、邪気を払う意味があるとされており、故人への感謝と冥福を祈る気持ちを表現する大切な作法です。
焼香の基本的な流れ(6ステップ)
1. 順番が来たら祭壇へ進む
焼香台の手前で遺族や僧侶に一礼
落ち着いてゆっくりと進む
数珠は左手に持って移動
2. 焼香台の前で一礼
数珠を左手にかける
焼香台の前で改めて遺影に向かって一礼
心を落ち着けて準備
3. 抹香をつまむ
右手の親指・人差し指・中指の3本で抹香(まっこう)をつまむ
少量を取る(多すぎないよう注意)
指先に軽く取る程度で十分
4. 抹香を「おしいただく」(宗派により異なる)
つまんだ抹香を額の前(目の高さ)まで持ち上げる
これを「おしいただく」という
宗派によっては省略される場合もある
5. 香炉に抹香をくべる
抹香を静かに香炉の炭の上に落とす
炭の中央付近に置く
この動作を1~3回繰り返す(宗派により異なる)
6. 合掌・一礼して席へ戻る
焼香後、遺影に向かって合掌し一礼
焼香台から下がる
遺族に一礼して席に戻る
宗派別焼香の違い一覧表
宗派 | 焼香回数 | おしいただく動作 | 特徴 |
浄土宗 | 1~3回 | あり | 手のひらを上にして額に掲げる |
浄土真宗本願寺派 | 1回 | なし | おしいただかずそのまま香炉へ |
浄土真宗大谷派 | 2回 | なし | 2回とも額に掲げない |
真言宗 | 3回 | 1回目のみ | 1回目だけおしいただく |
日蓮宗 | 1~3回 | あり | 基本的におしいただく |
日蓮正宗 | 3回 | あり | 3回ともおしいただく |
臨済宗 | 1回 | 任意 | おしいただくかは自由 |
曹洞宗 | 2回 | 1回目のみ | 主香・従香の概念 |
天台宗 | 1回または3回 | 自由 | おしいただくかは自由 |
焼香時の重要なマナーと注意点
✓ 守るべきマナー
数珠の持ち方
数珠は必ず左手に持つ
左手は「不浄の手」とされ、数珠で清める意味がある
合掌時は左手首にかけて右手を添える
焼香の心構え
心を込めて静かに行う
慌てずゆっくりとした動作
故人を偲ぶ気持ちを大切に
香の扱い方
抹香は少量を取る
香炉の炭の上に静かに落とす
線香の場合は息で消さず手であおいで消す
✗ 避けるべき行為
大量の抹香を取る
音を立てて動く
線香を息で吹き消す
何度も振り返る
過度に長時間滞在する
線香での焼香作法
抹香ではなく線香を使用する場合の手順
線香に火をつける:ろうそくから火を移す
火を消す:手であおいで消す(息は使わない)
香炉に立てる:線香立てまたは香炉の灰に立てる
本数:宗派により1本または3本(会場の指示に従う)
よくある質問と回答
Q: 宗派がわからない場合はどうすれば?
A: 前の人の作法に倣うか、1回焼香すれば問題ありません。最も大切なのは故人への気持ちです。
Q: 自分の宗派と違う葬儀での焼香は?
A: 自分の宗派の作法で行っても、参列先の宗派に合わせても、どちらも失礼にはなりませ
ん。
Q: 焼香の順番はどう決まる?
A: 一般的に血縁の近い順から始まり、その後年齢順や席順で行います。
Q: 子供も焼香すべき?
A: 小学生以上であれば焼香を行うのが一般的ですが、無理強いする必要はありません。
Q: 焼香時間の目安は?
A: 1人あたり30秒~1分程度が適切です。長時間かけすぎないよう注意しましょう。
焼香作法のポイント総まとめ
基本原則
心を込めて静かに行う
左手に数珠を持つ
遺族・僧侶・故人への礼を忘れない
宗派の違いを気にしすぎない
迷った時の対処法
前の人の動作を参考にする
1回焼香で統一する
シンプルな作法を心がける
気持ちを込めることを最優先
準備しておくべきこと
基本的な流れの確認
数珠の用意
適切な服装
心の準備
焼香で最も大切なこと
焼香は宗派によって細かな違いがありますが、最も重要なのは故人への感謝と冥福を祈る気持ちです。
完璧な作法を覚えることより、心を込めて静かに行うことが何より大切です。
焼香作法の要点:
基本の6ステップを覚える
数珠は左手に持つ
抹香は少量を静かに
宗派の違いを気にしすぎない
故人への気持ちを最優先
迷った場合は前の人に倣い、1回の焼香で心を込めて手を合わせれば十分です。
適切な焼香作法で、故人との最後の時間を大切に過ごしましょう。
焼香の作法や葬儀マナーについてご不明な点がございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。皆様の大切なお別れの時間をサポートいたします。
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