【完全版】お葬式の流れを時系列で解説|準備から四十九日まで詳しくガイド
- yukan
- 6月27日
- 読了時間: 11分

「突然のことで何から始めていいのかわからない...」
「お葬式はどういう流れで進むの?」
「準備することが多すぎて不安...」
大切な方を亡くされた悲しみの中で、お葬式の準備を進めなければならないのは本当に大変なことです。
しかし、お葬式の流れを事前に知っておくことで、いざという時も落ち着いて対応することができます。
今回は、一般的な仏式葬儀の流れを、ご逝去から四十九日法要まで時系列で詳しく解説します。
各段階で必要な準備や所要時間も含めて、実践的にご説明いたします。
お葬式の全体的な流れ|7つの段階
お葬式の基本的な流れ(概要)
お葬式は大きく分けて7つの段階で構成されています。
段階 | 内容 | 所要時間の目安 |
①ご逝去直後 | 死亡確認・搬送・安置・各種手配 | 数時間〜1日 |
②納棺前準備 | 湯灌・死化粧・納棺 | 2〜3時間 |
③お通夜 | 通夜式・通夜振舞い | 3〜4時間 |
④葬儀・告別式 | 読経・焼香・出棺 | 2〜3時間 |
⑤火葬・収骨 | 火葬・骨上げ | 2〜3時間 |
⑥法要・会食 | 還骨法要・初七日・精進落とし | 2〜3時間 |
⑦葬儀後手続き | 各種手続き・四十九日法要 | 数週間〜49日 |
全体の所要時間
通夜から精進落としまで:2日間
告別式当日:朝10時頃〜夕方17時頃(約7時間)
段階別詳細解説
①ご逝去直後にすべきこと
最初に行う重要事項
1. 医師による死亡確認
病院の場合:担当医が死亡診断書を作成
自宅の場合:かかりつけ医または警察への連絡が必要
所要時間:30分〜1時間
2. 葬儀社への連絡
24時間対応の葬儀社に連絡
ご遺体の搬送手配
所要時間:連絡は即座、搬送は1〜2時間
3. 親族・関係者への連絡
家族・親族への第一報
勤務先・学校への連絡
ポイント:詳細は後日連絡する旨を伝える
搬送・安置の手配
安置場所の選択
自宅安置:慣れ親しんだ場所で故人を偲べる
葬儀社の安置所:設備が整っており管理が楽
病院の霊安室:一時的な安置(長期間は難しい)
安置に必要な準備
布団や枕の準備
仏壇がある場合は扉を閉める
神棚がある場合は白い紙で覆う
重要な決定事項
喪主の決定
一般的な順序:配偶者 → 長男 → 長女 → 故人の両親
未成年の場合は後見人が代行
法的な責任者となるため慎重に決定
葬儀の形式決定
一般葬:親族から一般参列者まで幅広く
家族葬:家族・親族中心の小規模な葬儀
一日葬:お通夜を省略して告別式のみ
直葬:火葬のみで葬儀を行わない
必要な書類・手続き
死亡届の提出
期限:死亡を知った日から7日以内
提出先:死亡地・本籍地・住所地のいずれかの市区町村役場
必要書類:死亡診断書・届出人の印鑑・身分証明書
火葬許可証の取得
死亡届と同時に申請
火葬場で必要になる重要な書類
紛失しないよう厳重に保管
②ご遺体の安置・納棺
湯灌(ゆかん)・死化粧
湯灌の意味と流れ
故人の体を清め、あの世への旅立ちを準備
所要時間:1〜2時間
内容:体を洗い清める、髪を整える、爪を切る
死化粧
生前の美しい姿に整える
薄化粧で自然な仕上がりに
男性の場合も身だしなみを整える
白装束・納棺
白装束の意味
仏教では極楽浄土への旅装束
白い着物・白足袋・白い帽子・白い手甲
数珠や六文銭なども一緒に
納棺の儀式
参加者:家族・親族
所要時間:30分〜1時間
流れ:故人への最後のお世話、副葬品を納める
副葬品について
入れて良いもの
写真(燃えるもの)
手紙・色紙
生前愛用していた衣類
小さな思い出の品
入れてはいけないもの
金属類(時計・アクセサリー)
プラスチック製品
厚い書籍
食べ物(一部例外あり)
③お通夜の詳細な流れ
お通夜の準備(当日午前〜午後)
会場の準備
祭壇の設営・確認
供花・弔電の配置
受付の準備
音響・照明の確認
必要な準備物
遺影写真(四つ切りサイズが一般的)
位牌(白木位牌)
数珠
香典帳・筆記用具
会葬礼状・返礼品
お通夜当日のタイムスケジュール
標準的なスケジュール例
時間 | 内容 | 参加者 |
16:00 | 喪主・遺族集合 | 家族・親族 |
17:00 | 受付準備完了 | 受付係 |
17:30 | 受付開始 | 参列者 |
18:00 | 開式・僧侶入場 | 全員 |
18:05 | 読経開始 | 全員 |
18:35 | 焼香開始 | 僧侶→喪主→遺族→一般参列者 |
19:00 | 僧侶法話・退場 | 全員 |
19:10 | 喪主挨拶 | 全員 |
19:15 | 通夜振舞い開始 | 参列者 |
20:30 | 通夜振舞い終了 | 参列者 |
21:00 | 一般参列者解散 | 一般参列者 |
通夜振舞いのマナー
通夜振舞いの意味
故人への供養の一環
参列者への感謝の気持ち
故人の思い出を語り合う時間
準備のポイント
参列者数の1.2〜1.5倍の量を用意
精進料理が基本(魚・肉は避ける)
お酒・ビール・お茶・ジュースなどの飲み物
参列者のマナー
少しでも箸をつけるのがマナー
長居は避ける(30分〜1時間程度)
故人の思い出を静かに語り合う
④葬儀・告別式の詳細な流れ
葬儀と告別式の違い
葬儀
目的:故人の冥福を祈る宗教的儀式
参加者:主に家族・親族
内容:読経・引導法語
告別式
目的:故人との最後の別れの社会的儀式
参加者:友人・知人・職場関係者など
内容:焼香・弔辞・弔電拝読
告別式当日のタイムスケジュール
詳細スケジュール例
時間 | 内容 | 所要時間 |
9:30 | 喪主・遺族集合・最終確認 | 30分 |
10:00 | 親族集合・受付準備 | 30分 |
10:30 | 受付開始・参列者着席 | 20分 |
10:50 | 開式準備・僧侶入場 | 10分 |
11:00 | 【葬儀開始】読経・引導 | 30分 |
11:30 | 【告別式開始】弔辞・弔電拝読 | 15分 |
11:45 | 焼香(僧侶→喪主→遺族→一般参列者) | 30分 |
12:15 | 僧侶退場・閉式の辞 | 5分 |
12:20 | 別れ花・釘打ちの儀 | 15分 |
12:35 | 出棺・霊柩車への見送り | 10分 |
12:45 | 火葬場へ出発 | - |
重要な儀式の詳細
引導法語
僧侶が故人の極楽往生を願って唱える
宗派により内容が異なる
葬儀の中でも特に重要な部分
弔辞
故人への最後の言葉
時間:一人3〜5分程度
順序:友人代表→職場関係者→地域代表など
別れ花
棺に最後の花を入れる儀式
家族・親族から順番に
故人への最後の愛情表現
釘打ちの儀
棺の蓋に釘を打つ儀式
石で釘を軽く叩く(完全には打ち込まない)
現世との別れを象徴
⑤火葬・収骨の流れ
火葬場での手続き
到着時の手続き
火葬許可証の提出
火葬料金の支払い
火葬炉の確認
納めの儀
火葬炉前での最後の読経
所要時間:10〜15分
家族・親族での最後の焼香
火葬中の過ごし方
待機時間
火葬時間:1時間〜1時間30分
待合室での静かな待機
軽い食事や茶話会を行う場合も
この時間にできること
故人の思い出話
今後のスケジュール確認
法要の打ち合わせ
収骨(骨上げ)
収骨の作法
参加者:家族・親族・親しい友人
所要時間:20〜30分
方法:二人一組で箸を使って骨を拾う
収骨の順序
足の骨から頭部へ向かって
最後に喉仏(のどぼとけ)
血縁の濃い順で行う
骨壺の種類
関東:7寸壺(すべての骨を収納)
関西:5寸壺(主要な骨のみ収納)
地域により慣習が異なる
⑥法要・会食の流れ
還骨法要
還骨法要の意味
火葬場から戻った骨を仏壇に安置する儀式
所要時間:20〜30分
僧侶による読経と焼香
初七日法要(繰り上げ法要)
現代の初七日法要
本来は亡くなってから7日後
現在は告別式当日に「繰り上げ法要」として実施
所要時間:30分〜1時間
繰り上げ法要のメリット
参列者の負担軽減
遠方からの親族も参加しやすい
効率的なスケジュール
精進落とし(会食)
精進落としの意味
元々は四十九日の忌明けまで続く精進料理の終了
現在は火葬後の会食を指す
参列者への感謝を込めた食事
会食の準備
会場:斎場・料亭・レストラン・自宅
料理:仏教では精進料理が基本
人数:火葬に同行した方々
喪主の挨拶例
「本日はお忙しい中、故○○の葬儀にご参列いただき、
また火葬場まで足をお運びいただき、誠にありがとうございました。
おかげさまで無事に送ることができました。
心ばかりの食事をご用意いたしましたので、
故人の思い出話でもしながら、しばらくお時間をいただければと思います。」
⑦葬儀後の手続きと法要
すぐやること(当日〜1週間以内)
お礼回り
僧侶へのお礼
世話役・受付係へのお礼
弔辞をいただいた方へのお礼
香典整理
香典の金額・氏名を記録
香典返しの準備
会計の整理
公的手続き(2週間以内)
主な手続き一覧
手続き | 期限 | 必要書類 |
年金受給停止手続き | 14日以内 | 年金証書・死亡診断書のコピー |
介護保険証返納 | 14日以内 | 介護保険証 |
健康保険証返納 | 14日以内 | 健康保険証 |
住民票抹消届 | 14日以内 | 死亡届・戸籍謄本 |
世帯主変更届 | 14日以内(該当者のみ) | 戸籍謄本・印鑑 |
香典返し
香典返しの基本
時期:四十九日法要後、1ヶ月以内
金額:いただいた香典の1/3〜1/2程度
品物:消え物(お茶・海苔・洗剤・タオルなど)
挨拶状の例文
謹啓 時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます
この度は ご丁寧なるご弔慰を賜り また葬儀に際しましては
過分なるご厚志を頂戴いたし 厚く御礼申し上げます
おかげをもちまして 四十九日法要を滞りなく営むことができました
つきましては 供養のしるしに心ばかりの品をお送りいたします
ご査収くだされば幸いです
今後とも変わらぬご厚情のほど よろしくお願いいたします
四十九日法要の準備
四十九日法要の意味
故人が極楽浄土に向かう最も重要な法要
忌明けの区切りとなる
白木位牌から本位牌への切り替え
準備すべきこと
僧侶との日程調整
会場の手配
本位牌の作成
納骨式の準備(必要に応じて)
参列者への案内状作成
所要時間と費用の目安
全体のタイムスケジュール
2日間のスケジュール例
【1日目:お通夜】
16:00〜21:00(5時間)
【2日目:告別式〜精進落とし】
9:30〜17:00(7時間30分)
告別式当日の詳細タイムライン
午前(準備・告別式)
09:30 喪主・遺族集合
10:00 親族集合・受付準備
10:30 受付開始・参列者着席
11:00 葬儀・告別式開始
12:00 閉式・出棺
12:30 火葬場へ移動
午後(火葬・法要・会食)
13:00 納めの儀・火葬開始
14:30 収骨
15:00 還骨法要・初七日法要
16:00 精進落とし開始
17:00 解散
費用の目安
一般的な葬儀費用の内訳
項目 | 費用の目安 | 内容 |
葬儀一式 | 80万円〜150万円 | 祭壇・棺・霊柩車・会場費など |
飲食費 | 20万円〜50万円 | 通夜振舞い・精進落とし |
寺院費用 | 20万円〜60万円 | 読経・戒名・お車代など |
合計 | 120万円〜260万円 | 地域・規模により変動 |
形式別費用比較
葬儀形式 | 参列者数 | 費用の目安 |
一般葬 | 50〜100人 | 150万円〜250万円 |
家族葬 | 10〜30人 | 80万円〜150万円 |
一日葬 | 10〜50人 | 70万円〜120万円 |
直葬 | 5〜10人 | 20万円〜50万円 |
よくある質問と回答
Q1: 急に亡くなった場合、準備時間が足りるか心配です
A: 葬儀社が24時間体制でサポートします。
即日対応可能な項目
ご遺体の搬送・安置
必要書類の手続き代行
基本的な葬儀プランの決定
親族への連絡代行
翌日までに決めれば良い項目
細かな演出や装花
通夜振舞いや精進落としの内容
弔辞をお願いする方への連絡
Q2: 家族だけで小さく葬儀をしたいのですが...
A: 家族葬や一日葬をお選びいただけます。
家族葬の特徴
参列者:家族・親族・親しい友人のみ
費用:一般葬の6〜7割程度
時間:ゆっくりと故人を偲べる
注意点
事前に「家族葬で行う」旨を明確に伝える
後日弔問を受ける可能性がある
香典収入が少ないため実費負担が大きくなる場合も
Q3: 仏式以外の葬儀も対応可能ですか?
A: 神式・キリスト教式・無宗教葬も承っています。
神式葬儀の特徴
神職による祭詞奏上
玉串奉奠(焼香の代わり)
五十日祭(仏式の四十九日に相当)
キリスト教式の特徴
牧師・神父による説教
讃美歌・聖歌の斉唱
献花(焼香の代わり)
無宗教葬の特徴
自由な形式で故人を偲ぶ
音楽・映像などを活用
お別れ会・偲ぶ会として開催
Q4: 火葬場が混雑していて希望日に葬儀ができない場合は?
A: 事前に複数の候補日を用意します。
対応策
火葬場の空き状況を事前確認
複数の火葬場をチェック
平日や時間帯を調整
必要に応じて安置期間を延長
友引について
火葬場が休みの場合が多い
地域により異なるため確認が必要
友引を避けたい場合は日程調整
Q5: 参列者数の見込みが立てにくいのですが...
A: 段階的に調整可能なプランをご提案します。
見積もりの方法
年賀状・住所録から推測
故人の交友関係を整理
職場・地域の慣習を考慮
季節や曜日の影響も考慮
調整可能な項目
会場の大きさ
料理・飲み物の数量
返礼品の数量
受付の人数
地域による違いと注意点
関東と関西の主な違い
通夜の違い
関東
半通夜が一般的(2〜3時間)
通夜振舞いは軽食程度
一般参列者も多数参加
関西
本通夜の名残が残る地域も
通夜振舞いはより丁寧
親族中心の傾向
火葬・収骨の違い
関東
7寸の大きな骨壺
すべての骨を収納
火葬後すぐに初七日法要
関西
5寸の小さな骨壺
主要な骨のみ収納
残りの骨は火葬場で供養
宗派による違い
主要宗派の特徴
浄土宗
念仏を重視
焼香は1〜3回
「南無阿弥陀仏」を唱える
浄土真宗
往生即成仏の考え
焼香は押しいただかない
本願寺派は1回、大谷派は2回
真言宗
密教的要素が強い
焼香は3回
光明真言を唱える
曹洞宗
禅宗の一派
焼香は2回(1回目は押しいただく、2回目は押しいただかない)
座禅の精神を重視
心を込めた送り方が何より大切
覚えておきたい重要ポイント
準備の基本
迅速な初動対応:葬儀社への連絡は最優先
段階的な決定:すべてを一度に決める必要はない
信頼できるサポート:専門家に相談しながら進める
儀式の心構え
故人への敬意:形式より心を大切に
参列者への感謝:お越しいただいた方々への配慮
無理をしない:悲しみの中での完璧は求めない
最も大切なこと
お葬式の流れや段取りも重要ですが、最も大切なのは故人への感謝の気持ちと、お見送りする心です。
完璧な進行よりも、故人を思う気持ちを大切に、参列してくださる方々と共に心を込めてお送りすることが何より重要です。
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