「重ね重ね」はNG?「四」も使っちゃダメ?知らないと恥ずかしい弔電マナーの完全ガイド
- yukan
- 7月14日
- 読了時間: 7分
プロローグ:「弔電を送りたいけど、失敗したらどうしよう...」
「お通夜に参列できないから弔電を送りたいけど、何をどう書けばいいの?」
「忌み言葉って何?どんな言葉を避ければいいの?」
「宛名は喪主?それとも故人?」
突然の訃報に接した時、気持ちは弔意を伝えたいのに、弔電のマナーが分からずに困ってしまう。そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
弔電は、参列できない時に遺族への哀悼の意を伝える大切な手段です。
でも、マナーを間違えると、かえって失礼になってしまうことも。
今回は、初めて弔電を送る方でも安心してできるよう、タイミングから文面まで、弔電マナーの全てを分かりやすく解説します。これを読めば、心を込めた弔電を自信を持って送ることができるはずです。
第1章:弔電って何?- まず基本を押さえよう
弔電の役割と意味
弔電(ちょうでん)とは
お悔やみの気持ちを伝える電報
参列できない時の代替手段
遺族への心遣いの表現
現代では電話やメールが主流ですが、正式な場面では今でも弔電が重要な役割を果たしています。特に
弔電が重要なケース
遠方で参列できない場合
仕事の都合で参列が困難な場合
会社として正式に弔意を表したい場合
故人と親しかったが、遺族との面識が薄い場合
現代における弔電の価値
なぜ今でも弔電が大切なのか
正式性:電話やメールより格式がある
記録性:葬儀で読み上げられ、記録に残る
心遣い:手間をかけることで気持ちが伝わる
格式:ビジネス関係では特に重要
第2章:送るタイミングと送り先 - 「いつ」「どこに」が重要
送るタイミングの基本ルール
ベストタイミング
通夜までに到着するよう手配
遅くとも告別式開始前には必着
タイミングの理由
通夜や告別式で読み上げられるため
遺族が整理・確認する時間が必要
弔電は「今すぐ」の気持ちを表すもの
現実的なスケジュール
訃報を受けたら即座に手配
夜中でもWebや電話で24時間受付可能
翌日午前中の配達指定も可能
送り先の正しい選び方
基本の送り先
葬儀会場(最も一般的)
自宅(家族葬や自宅葬の場合)
火葬場(直葬の場合、まれ)
送り先の決め方
訃報に会場情報があれば葬儀会場
「ご自宅まで」の指定があれば自宅
迷った時は葬儀会場が無難
宛先の書き方例
○○○斎場
○○家 ご遺族様
(または)
○○○斎場
喪主 ○○○○様
第3章:宛名の書き方 - 「誰宛て」が意外と重要
基本的な宛名のルール
宛名の優先順位
喪主の名前が分かる場合: 「喪主 ○○○○様」
故人の配偶者が喪主の場合: 「○○○○様」
喪主が不明な場合: 「○○(故人名)様 ご遺族様」
家族全体に向ける場合: 「○○家ご遺族様」
差出人の書き方
個人で送る場合
フルネームで記入
住所は市区町村レベルでOK
故人との関係を明記(友人、元同僚など)
会社で送る場合
会社名を明記
代表者名または部署名
故人との関係(取引先、元社員など)
書き方例
東京都○○区 山田太郎
(故人様の大学時代の友人)
(または)
株式会社○○○
代表取締役 田中花子
(故人様の元勤務先)
第4章:文面のマナー - 「忌み言葉」を避けて心を込めて
絶対に避けるべき「忌み言葉」
重ね言葉(不幸の繰り返しを連想)
×「重ね重ね」「たびたび」「くれぐれも」
×「再び」「再度」「重ねて」
×「次々」「続いて」
直接的な死を表す言葉
×「死亡」「死去」→ ○「逝去」「永眠」
×「生きている時」→ ○「お元気な頃」
×「苦しむ」→ ○「お辛い」
不吉な数字
×「四」(死を連想)→ ○「よっつ」
×「九」(苦を連想)→ ○「ここのつ」
宗教別の適切な表現
仏教式
○「ご冥福をお祈り」
○「成仏されますよう」
○「お悔やみ申し上げます」
キリスト教式
×「ご冥福」「成仏」(仏教用語のため)
○「安らかな眠りを」
○「神様の御許で安らかに」
神式
×「ご冥福」「成仏」
○「御霊の安らかならんことを」
○「ご平安をお祈り」
宗教不明の場合
○「心よりお悔やみ申し上げます」
○「ご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます」
心を込めた文面の作り方
基本構成
お悔やみの言葉
故人への感謝・思い出
遺族への慰めの言葉
結びの言葉
文面例(一般的)
○○様のご逝去の報に接し、心より
お悔やみ申し上げます。
ご生前中のご厚情に深く感謝いたします。
ご遺族の皆様のお悲しみはいかばかりかと
存じます。
心よりご冥福をお祈りいたします。
文面例(親しい関係)
○○さんの突然の訃報に接し、
言葉もございません。
心優しいお人柄を偲び、
深い悲しみに暮れております。
ご家族の皆様のお気持ちを思うと
胸が痛みます。
安らかにお眠りくださいますよう
お祈りいたします。
第5章:よくある失敗と対処法 - 「やってしまった!」を防ぐ
失敗例1:「宗教を間違えた!」
仏教の方にキリスト教式の弔電を送ってしまった場合
気づいたらすぐに正しい文面で再送
お詫びの一言を添える
遺族は理解してくれることが多い
失敗例2:「忌み言葉を使ってしまった!」
「重ね重ね」や「四」を使ってしまった場合
心配しすぎる必要はない
気持ちが伝わることの方が大切
次回から気をつければOK
失敗例3:「送るタイミングが遅れた!」
告別式の後に弔電が届いた場合
葬儀では読まれないが、遺族には気持ちが伝わる
お詫びの手紙を別途送ることを検討
今後の参考にして、早めの対応を心がける
第6章:会社から送る場合の特別マナー
会社からの弔電の特徴
個人の弔電との違い
より格式のある文面
会社としての関係性を明記
敬語の使い方により注意
故人との関係別の敬称
故人が男性の場合
父親:ご尊父様、お父様
息子:ご令息様、ご子息様
夫:ご主人様
故人が女性の場合
母親:ご母堂様、お母様
娘:ご令嬢様、ご息女様
妻:ご令室様、ご夫人様
会社からの文面例
○○様ご逝去の報に接し、
心から哀悼の意を表します。
ご生前中は格別のご厚情を賜り、
厚く御礼申し上げます。
ご遺族の皆様のお悲しみをお察しし、
謹んでお悔やみ申し上げますとともに、
故人のご冥福を心よりお祈りいたします。
株式会社○○○
代表取締役 ○○○○
第7章:受け取った側のマナー - お礼の気持ちを伝える
お礼状の基本ルール
送るタイミング
葬儀後1週間以内
四十九日前には必ず
お礼状の方法
正式には書面(はがきまたは封書)
親しい関係なら電話でもOK
メールやLINEは避ける
お礼状の文面例
この度は、○○の葬儀に際し、
ご丁寧なお悔やみをいただき、
誠にありがとうございました。
おかげさまで、無事に葬儀を
済ませることができました。
生前中のご厚情に深く感謝申し上げ、
略儀ながら書中をもちまして
御礼申し上げます。
令和○年○月
○○家一同
お返しは必要?
基本的には不要
弔電自体にはお返し不要
お線香や供花が同封されていた場合のみ、香典返しに準じたお返しを考慮
第8章:現代の弔電事情 - デジタル時代の心遣い
オンライン弔電の台頭
現代の弔電サービス
24時間Webで受付
文面のテンプレートが豊富
当日配達も可能
プリザーブドフラワー付きなど多様なオプション
それでも変わらない本質
デジタル時代でも大切なこと
心を込めた文面
適切なタイミング
遺族への配慮
正しいマナー
現代の弔電は送りやすくなりましたが、基本的なマナーと心遣いの重要性は変わりません。
エピローグ:技術より心、マナーより思いやり
弔電のマナーについて詳しく見てきましたが、最も大切なのは「故人を悼み、遺族に寄り添う気持ち」です。
完璧な文面を書く必要はありません。忌み言葉を一つ使ってしまっても、世界が終わるわけではありません。大切なのは、心からの哀悼の意を込めて、丁寧に弔電を送ることです。
覚えておきたいポイント
通夜までに葬儀会場へ送る
忌み言葉を避ける
宗教に配慮した表現を選ぶ
差出人を明確にする
受け取ったら早めにお礼を
現代はSNSやメッセージアプリで気軽に連絡を取り合う時代ですが、人生の重要な節目では、やはり正式な方法で気持ちを伝えることが大切です。
弔電は、単なる形式的な挨拶ではなく、「あなたの悲しみに寄り添いたい」という温かい気持ちの表現。その心遣いは、きっと遺族の方々の心に届くはずです。
もし弔電を送る機会があったら、このガイドを参考に、心を込めた弔電を送ってください。そうした一つ一つの心遣いが、人と人とのつながりを深く、温かいものにしていくのですから。
Comments